金(きん)関連のサイトあれこれ
『Voima Gold』の「Insight(洞察)」欄が新規投稿掲載を停止
先日のリンク先を列挙した中で、金(きん)関連のサイトとしてお勧めしておいた『Voima Gold』が「もはやあれこれ議論をしているときではない。本業である貴金属保管と、貴金属保有者への助言業務に専念すべき時期だ」という理由で、ブログページに当たる「Insight(洞察)」欄への新規投稿を全面停止すると発表した。突如経営難に見舞われるような危ない会社ではないし、金価格は2011年のような突飛高ではなく、ジリ高基調に入っているので、額面どおりに受け取っていいコメントだろう。
だとすれば、シンガポールを拠点とする『Bullion Star』以外にも何か貴金属市況について信頼の置ける情報が読めるサイトをご紹介しておきたいところだ。そこで以下2つのサイトを「時おりのぞくサイト」に追加することにした。
ひとつ目は、『Voima Gold』「Insight」欄への最有力投稿者だったJan Nieuwenhuijsが主宰している『The Gold Observer』だ。当然のことながら、論調は今まで親しんできた『Voima Gold』とほとんど変わらない。
ふたつ目は、イギリスを本拠とする経済・金融・貴金属市場総合情報サイト『Market Oracle』だ。投稿量の多さでは、『Zero Hedge』 と同じか、ひょっとすると『ZH』より多いかもしれない。
特徴がふたつある。ひとつはいかにも往年のアメリカン・ジャーナリズム風に極右、極左の投稿を面白がって取り上げる『ZH』とは違って、こちらは「穏健」なイギリス人らしく、極端な政治的見解を持っている著者や団体からの投稿は排除しているフシが見受けられること。もうひとつは、もはやほとんどの金融市場でニューヨーク・シカゴ連合軍に圧倒されているロンドンが、金取引だけはまだ世界の中心であることも影響して、貴金属関連の投稿は明らかに『ZH』より充実していることだ。
難点を言えば、ホームページあるいは表紙に当たるページが、あまりにもこと細かに分類されたエントリー案内になっているので、単純に時系列で投稿を列挙している『ZH』に比べて、自分の読みたい記事がどこにあるのかわかりにくいことだ。だが、これは何度か訪ねていけば慣れてくる。
なお、金に関する情報量の多いサイトとして、『Kitco』と『GATA』を挙げる人も多いが、私はお勧めしない。『Kitco』 は金山事業運営業者のいわゆる「業界筋」情報ばかりだ。『GATA』はこの4文字がGold Anti-Trust Action (C)ommitteeの略であることからもおわかりのように、世界中のあらゆる経済問題について「金市場が一握りの貴金属取引業者の相場操縦によって歪曲されていることが諸悪の根源だ」という、「金市場自由化原理教」とでも言うべき宗教団体の信者の集まりになってしまっている。
どちらも、2、3度のぞいて、「ああ、業界筋はこう見ているのね」とか、「金自由市場原理教ではそう見ているのか」と確認するだけでいいと思う。
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