第53回勉強会「アメリカで宗教戦争が始まった」の概要
こんにちは
進歩的なはずのリベラル派が狂信者集団と化し
とくにアメリカ国民は
今日は、きのう(12月1日)に開催した勉強会の概要をご紹介します。まず主な論点をご覧ください。
わたしは、現代社会を騒がせている2つの問題、新型コロナと「地球温暖化=二酸化炭素元凶」説には、共通点があると思います。
欲望のバブルから恐怖のバブルに
どちらも人々の恐怖心をあおることによって、政府やその道の「権威」と称する人たちの言うことに大衆を従わせようとするという、言わば恐怖のバブル現象だということです。
そして、どちらも「科学はとっくに結論を出している。お前は科学を信じて天国に行くのか、それとも科学を拒否して地獄に堕ちるのか」というまったく非科学的な脅し文句で大衆操作をしていることです。
近代科学の基礎は懐疑精神です。常識や定説とされていることを「ほんとうにそうなのか」と疑うところから出発しています。
ところが、新型コロナへの各国政府や国連傘下の世界保健機関(WHO)の対応は、科学的探究心が目指すものとは正反対に見えます。
ロックダウン(都市封鎖)、マスク着用の義務付け、ワクチン接種の強制と、ほんとうに有効な対策なのか、むしろ効果より弊害のほうが大きいのではないのかといった当然の疑問を封殺して、「科学はもう結論を出している。科学を信じない無知蒙昧な連中だけがこの方針を拒否する」と規定の方針を押しつけてくるだけです。
「地球温暖化=二酸化炭素元凶」説もまったく同様です。
まず気候学者や環境科学の研究者のあいだで、地球が温暖化しているというコンセンサスはありません。ましてや、その原因が人為的な二酸化炭素排出量の激増にあるという主張にいたっては、説得力のある実証研究データは皆無と言っていい状態です。
コロナ騒動であれば、莫大な研究開発費を投じてワクチンや新しい治療薬を開発した大手製薬会社に大きな利益をもたらすために、各国政府やWHOは全面的に協力しています。
また、地球温暖化騒動では電力のエネルギー源を信頼性の高い化石燃料から、天候次第でまったく安定供給の望めない太陽光・風力発電への切り替えで膨大な過剰投資をして、結局実用性がないので化石燃料主体の発電に戻る際にも膨大な投資をするために、無理を承知で「再生可能」エネルギー源への転換を目指しているのです。
進歩的なはずのリベラル派が狂信者集団と化し
保守派のほうが合理的な判断力を維持している
ここで重要なのは、コロナ大疫病説にしても、地球温暖化危機説にしても、「科学」の名を借りながら、説得力のある客観的なデータを少しも出さずに、大衆の危機感をあおっていることです。
こうして見てくると、現代アメリカ社会を2分する民主党リベラル派と共和党保守派の対立には、一方が理性的で客観的な合理性を持つ判断をする勢力で、もう一方は宗教的信念に凝り固まった「遅れた」人々という図式がちっとも当てはまらないことがわかります。
どちらも宗教的信念にもとづく行動をしていて、一方は歳月を経てそれなりに成熟した穏健性を持った伝統的なキリスト教信者で、もう一方は「コロナ教」とか「地球温暖化教」といった新興宗教教団を形成しているのです。
そして、いつの世でも、狂信的な逸脱に陥りがちなのは新興宗教のほうです。
1789年のバスチーユ監獄襲撃に始まったフランス革命も、当初は自由、平等、友愛を旗印に近代的な合理性神によって、キリスト教の呪縛から解き放たれることを目標としていました。
ですが、革命の祭典の中身を追っていくと、宗教からの解放という当初の目標に反して、徐々にカトリックの教義に変わる「最高存在」という名の新しい唯一神を創り出して、この神への信仰で人々を縛る方向に変質してしまったのです。
私は、欧米諸国の人々は今もなお宗教心というへその緒を断ち切ることができずに、さまざまな問題を自分の信奉する宗教の教義が正しいと教えているかどうかで判断する人たちなのではないかと思っています。
とくにアメリカ国民は
宗教への依存度が高い
その中でも、アメリカは知的エリートだけではなく国民全体として見ると信仰を判断の基準とする人たちが非常に多い国です。
ご覧のとおり、国民全体の約4分の3が、たびたび、またはときどき教会以外の場所でも祈りを捧げ、同じく4分の3が宗教は非常にあるいはかなり重要だと考えているのです。
その信仰の対象が、カトリックであれプロテスタントであれ長い時代を経て成熟してきた宗教であれば、あまり突拍子もない逸脱行動に出ることはないでしょう。
でも、人種的・性的少数派擁護を掲げるWoke-ismや、コロナ大疫病説や、地球温暖化危機説といった時代の篩(ふるい)にかけられていない新興宗教の場合、先鋭化し極端な行動に出る危険は大きいと思います。
民主党リベラル派は人種的・性的少数派を擁護する勢力だということで、進歩的、人道的な人たちという印象がありました。
ですが、最近ではこうした少数派に属する人たちが平等な権利を主張するだけではなく、彼らが少数派であることを特権として明らかな違法行為をすることさえ容認するようになってしまい、この「錦の御旗」も色褪せ、薄汚れてきました。
民主党リベラル派に属する知的エリートたちは、こうした弱みが露呈するにつれて、「コロナ教」や「地球温暖化教」を信じない人たちを邪教、異端として切り捨て、コロナや地球温暖化に対する恐怖心をあおることで「信者集団」の結束を強めようとしているのではないでしょうか。
その行き着く先がこれら新興宗教教団と伝統的なキリスト教徒集団との内戦になるのではないかと、私は危惧しています。
反面、かなり古くから「信仰の自由」だけでなく「信仰からの自由」、つまりどんな宗教も信じない自由を獲得していた日本の大衆は、健全な判断力を発揮できると思います。
なお、この勉強会の模様は、近日中にYouTubeでアップしますので、ぜひご覧ください。
→第53回勉強会「アメリカで宗教戦争が始まった」動画をアップしました。
読んで頂きありがとうございました🐱
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コメント
米国は、古代エジプト由来のオベリスクがセントルイスなどには単独で町の中心に有り、大聖堂が町の中心にあるスペイン(オベリスクは有っても目立たない)とは趣の異なるキリスト教国家と見えました。
また、米国は国が新しく欧州の様に他の拮抗する民族との戦争を間断無く行うための城塞は目に付きませんでした。
戦後の米国製ホームドラマでは、お正月の初詣の代わりに教会のミサに行く風な感じでしたので、民主党、共和党で交わされる神聖政治の様なやり取りを彷彿する事はありませんでした。
覇権を確立するための戦争が終わり3世代目の時代に入り、国民間の格差が著しく拡大した中で、国の有り方の地金が露わになってきた様に思われます。
栴檀の葉
、
コメントありがとうございます。
アメリカの宗教的建築物はたしかにローマ神話由来のものや、エジプト神話由来のものを堂々と建てていて、一見異教に対して寛容そうな気がします。
ただ、教義的には非常に厳格で、十三州植民地も単純に地理的に切り分けたのではなく、それぞれにキリスト教の宗派ごとの共同体となっています。
全米でもっとも由緒ある州、ヴァージニアはもちろん、生涯独身(ヴァージン)を貫いた女王エリザベス一世にちなみ、イギリス国教会系です。
そのすぐ北側のメリーランド州は、ボルチモア卿がプロテスタントのコミュニティでは迫害されがちなカトリックの保護区として申請して許され、チャールズ一世の妃で狂信的とも言えるほどのカトリックであったメアリー・スチュアートにちなんで名づけらられたと言われますが、おそらくプロテスタントに比べてはるかに聖母信仰が根強いカトリックになじみ深いマリア様を意識した州名だと思います。
そのほかのイギリス王室にちなんだ命名、チャールズのラテン語読み、カルロスの南北カロライナ州、ジョージ二世にちなんだジョージア等はもちろん国教会系です。
十三州では東北側のニューイングランドにはピューリタン系が多く住み、もちろんマサチューセッツはピューリタン最大の共同体を形成していました。
全米50州の中で国教会系でもっとも由緒あるヴァージニア州とピューリタン系でもっとも由緒あるマサチューセッツ州はStateと名乗らず、Commonwealthと名乗っています。
しかし、マサチューセッツの主流派がピューリタンでありながら形式的には国教会に属しつづけたことに飽き足らなかった分派が神の摂理(プロヴィデンス)と名付けた都市を中心に糾合した先鋭派の州が、ロードアイランドです。
逆にマサチューセッツ主流派より国教会寄りの分派で、結局王領に逆戻りした植民地がニューハンプシャーです。
この2大勢力に挟まれたニューヨーク州は、もともとオランダの植民地だったこともあって、どちらかというとカルヴァン派に近いオランダ系のプロテスタントの多い土地柄です。
ペンシルヴァニア州は、プロテスタントの中でも神がかり的で礼拝時に全身を震わせるのでクエイカーと呼ばれた集団の指導者、ウィリアム・ペンにちなんで「ペンの森」と名づけられた州です。
たしかに、アメリカ開拓時代には火器と各種疫病に対する免疫力で先住民より圧倒的に優位に立っていたイギリス系植民地では都市を城塞で守る必要はありませんでした。
しかし、まだマンハッタン島がオランダ植民地だったころには、島の南の突端だけに入植し、海賊やイギリス海軍(この2者はほぼ同類でした)や先住民の攻撃を防ぐために、当時としては長く頑丈な壁を築いていました。
その壁を撤去した広い通りに面して、アメリカ北部で最初の奴隷取引市場ができ、そのあとにこちらは全米最初の証券取引所ができたのが、ウォールストリート」の起源です。
アパラチア山脈のどこかに、武勇に優れたインデアン1部族だけが、居住を許されたとの伝説・インデアン戦争の逸話を聞いた事があります。
もし、ご存じでしたらご教授下さい。
栴檀の葉
コメントありがとうございます。
残念ながら私は、その伝説を聞いたことがありません。
ただ、ディー・ブラウン著『わが魂を聖地に埋めよ』(上下巻、草思社文庫、2013年)や、阿部珠理著『メイキング・オブ・アメリカ――格差社会アメリカの成り立ち』(彩流社、2016年)などをお読みいただくと、アメリカ白人の先住民絶滅作戦は、とても1部族だけに武勇を称賛して、もともと住んでいた土地近辺での生存を許すというような生易しいものではなかったという印象があります。
酷い国です!しかし世界中隅々にこの動画が行き渡るって、政治家はどう考えるのでしょうか?
更に厚顔になるんでしょうかね?サウスウェールズ州に至っては、10キロの移動制限が5キロになるとか。
公衆衛生命令違反は5000ドルの罰金とからしいです。
カナダのトルドー首相もSNSに”5歳になったらワクチン打てるよ!ワクワクするね!”とか言ってました。
頭可笑しいじゃないでしょうか?
デモもかなり激しいものになりつつあるようです。
軍隊まで使い始めてますから、多くの隊員も自己矛盾に陥る事でしょう。
コメントありがとうございます。
さっそくyoutubeの動画、拝見しました。
ほんとうに暗黒政治が突如実現してしまったのですね。
たしか、ロッテルダムのデモで警官隊が空に向けた威嚇射撃ではなく、デモ隊員を狙って撃った場面を見たことをお伝えしました。
そのときは、ゴム弾だと思っていたのですが、あとから実弾であり、デモ隊に2名の犠牲者が出たことを知りました。
平然とデモ隊に向けて実弾を撃つ警官隊も怖いですが、マスコミではこうした情報がまったく伝わっていないことは、もっと怖いです。