オハイオ・チェルノブイリの惨状を見よ

こんにちは
明らかに21世紀最大の人為的な環境破壊が勃発したのに、大手マスメディアはこの問題をほとんど取り上げないという異常事態が起きています。

そこで今日は、オハイオ州の小さな町、イーストパレスティンで発生した貨物列車の脱線転覆事故と、単なる列車事故にはとどまらない深刻な環境破壊につながった企業利益本位の事後処理について、書こうと思います。

発端は「平凡な」鉄道事故だった

今年の2月2日深夜から3日未明にかけて、オハイオ州とペンシルベニア州の州境の小さな町、イーストパレスティンを走行中だった貨物列車が、脱線転覆事故を起こしました

150両編成のうち約3分の1、50両前後が脱線転覆したのですから、日本の鉄道運行の常識から言えば、とんでもない大事故です。


しかし、アメリカでは利益の出ない旅客運送はすべて国営企業に押しつけて貨物運送に特化した民間鉄道会社は、すさまじい経費節減で利益を出しています。運転士をふくめて乗務員2~3人でこの先頭から最後尾まで目視確認はできないほど長い列車を走らせるのです。

しかも、事故列車を運行していたノーフォーク・サザン鉄道は1両の点検に3分かけるのが常識のアメリカの鉄道業界で、1両1分30秒の点検で済ませるという手抜き経営をして大幅増益を達成した悪徳企業です。

脱線転覆事故が起きた時点では、ふつうの四角いコンテナ車両で出火した車両もありましたが、石油や液化天然ガスを満載したタンク車が爆発炎上するというような大事故には至らず、乗務員にも近隣住民にも死傷者は出ず、ひと安心という状態でした。

事後処理で事態は一気に深刻化

問題は、事後処理でした。直接脱線転覆で出火しなかった車両のうち、20両以上が塩化ビニール、エチレングリコール、モノブチルエーテル、イソブチレンといった毒性の強い化学物質を超低温で液化した状態で積みこんだ保冷タンク車でした。

すぐそばで出火したまま、炎は消し止めたもののくすぶっている車両もある中で、タンク車の保冷機能が劣化したら、液化しておいた毒物・劇物が温まってガス化する勢いで重く硬いタンクの金属壁を鋭い破片として四方八方に撒きちらして爆発炎上する可能性もあります。

本来であれば、至急近場にある空の保冷タンク車を借りて現場に持っていき、有毒物質を安全に移し換えてから線路の修復、平常どおりの運行へと進むべきところです。

しかし、その作業にはかなりの費用と時間を要します。鉄道会社は車両を運行できなければ収入はなく、経費ばかりがかさみます。

そこで、ノーフォーク・サザンの経営陣は「今すぐにも保冷タンク車が爆発炎上する危険が大きい」と脅して、監督官庁である国家運輸安全委員会(NTSB)や環境保護庁(EPAを説得したのでしょう。

2月4~5日は土・日の休日でした。この間に監督官庁を口説き落としたノーフォーク・サザンは、なんと6日の月曜日になってから「管理された放出」という名目で液化したままの状態でタンク車に入れてあった化学物質を意図的に焼却したのです。


このすさまじい勢いで立ちのぼる黒煙を見ただけでも、どう考えても「人畜無害」の作業とは思えません。また次の4枚組写真でもおわかりいただけるように噴出した炎も、尋常な「焼却」過程とは程遠いものでした。


さらに、次の写真では上空の極端に大気温が下がる高度を天井にして、薄くテーブル上に黒煙が広がるようすもはっきり見てとれます。


事故現場から半径10マイル(16キロ)以内の住民は2月6日から5日間にわたって緊急避難させられていました。

2月9日には黒煙も晴れ、事故現場には「管理された放出」によって火がついて焼け焦げたタンク車の残骸が線路際に並んではいるものの、一応平静を取り戻したかのような光景が広がっていました。


しかし、2月11日から12日にかけて帰宅を許されて自宅に帰った住民たちが見たのは、悲惨な景色でした。

やっと帰宅を許された住民が見たものは

まず目にとまったのは小さな池や小川などの水面に魚の死骸が浮いている姿でした。


さらに、自宅の鶏小屋を開けてみると、1羽残らず死に絶えていました。


右上に写っているいる農家の主婦は「鶏たちは苦痛でもがきまわるようすもなく、数秒のうちに死んでしまったようだ。この汚染された大気がたった数秒で鶏を殺してしまうとすれば、今後20~30年のあいだにここに住んでいる私たちの体にいったい何が起きるのだろうか」と不安を漏らしていました。

住民たちのあいだからは「ここはオハイオ州のチェルノブイリだ」と、過去に起きた原子力発電所事故中最悪の事故の舞台と比較する声も出てきました。

それでも環境保護庁のお役人様は、平然と「もう空気はすっかりきれいになった。いつもどおりの日常生活をしてまったく支障はない」とおっしゃるのです。

不安を抱いているのは、近隣数千戸に住む人たちだけではありません。事故現場のすぐそばを流れるオハイオ川の流域は、全米でも屈指の3000万人の居住人口を抱え、この川に水源を求める人口だけでも500万人に達するのです。

オハイオ川流域は全米屈指の経済圏

下にご紹介するのが、ミシシッピ川の主な支流を流域ごとに色分けした地図です。


ミシシッピ川の支流と言うと、どうしても日本人の場合、小さな川を思い浮かべがちですが、オハイオ川はまったく小さな川ではありません。流域人口3000万人というのは、本流であるミシシッピ川の上下両流域を合わせたより大きな数でしょう。

アメリカ全土でもニューヨーク州南東部=ニュージャージー州=コネチカット州(NY=NJ=CT)の3州境界地域と、テキサス州中央部からメキシコ湾岸部、そしてカリフォルニア州太平洋岸地域以外にこれほど大きな人口が密集している地域はありません

そして、あとでくわしくご説明しますが、じつはオハイオ川流域だけではなくNY=NJ=CT3州境界地域も危険に曝されているのです。

とりあえず、直接テーブル状になった黒煙に覆われた地域の大都市、中堅都市を数え上げただけでも、オハイオ州のクリーブランド、ウィーリング、コロンバス、そしてペンシルベニア州のピッツバーグ、エリーとなります。


まず、偏西風(西から吹く風)が優勢なために、高度が高くなればなるほど大気中の有害な微粒子が東に移動しているようすを、アメリカ海洋大気庁(NOAA)の発表している観測図で確認しましょう。


一目でおわかりいただけるように、高度が3000メートルを超えるとかなり東にずれ6000メートルを超えるとさらにまた東寄りになっています。つまり、高く舞い上がった微粒子ほどNY=NJ=CTというアメリカ最大の人口密集地域に降り注ぐ可能性が高くなるのです。

次の写真は下から見ると薄くテーブル状に広がったような有害な黒煙の層が、衛星からの空中撮影で俯瞰するとそうとうなボリュームで雲海の上に盛り上がっています。



塩化ビニールが燃焼というかたちで大気中の酸素と化合して、いったい何ができるのでしょうか。

まず、もっとも怖いのが、あらゆるダイオキシンの中でいちばん毒性が強いので、すべてのダイオキシンの毒性を測る基準とされている4塩化ジベンゾダイオキシン(略号TCDD、または2,3,7,8)です。

見くびってはいけないダイオキシンの怖さ

このTCDDの化学結合式(いわゆるカメノコ式)は、次のとおりです。


炭素と塩素がどこで結びつくかがダイオキシン族の中での毒性の強さを決めるのですが、ふたつのベンゼン環(炭素ばかりの6角形)が酸素を媒介にがっちり平べったく結びついて、その両端に4個の塩素がくっついているのが、いちばん毒性も強く安定もいい形だそうです。

なお、ダイオキシンについては「オゾンホールや酸性雨やサンゴ礁の消失みたいに、怖い、怖いと大騒ぎしただけで大した被害は出ないコケ脅しじゃないか」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

たしかにオゾン層に空いた穴も、酸性雨も、サンゴ礁の消滅も自然の回復力、治癒力で事なきを得ています。サンゴ礁の場合は、むしろ近年増加に転じています。

ですが、ダイオキシン汚染はまったく違います

ダイオキシンが飛散しても被害がほとんど出なかったから話題にならないのではなく非常に大きくまた持続性も高い被害が出る事例が何件かあり、その結果厳重な罰則規定をつくって取り締まるようになったので、被害も出ていないのです。

たとえば1976年、イタリア、ミラノ市近郊のセベソにあった農薬工場から約120キロの飛散1978年、アメリカニューヨーク州北西部ラブキャナルの埋め立て地で産業廃棄物の中から検出されたダイオキシン被害により239家族の立ち退きなど大規模な被害が出ています。

おそらく過去最大の被害が出たのは1983年、ミズーリ州タイムズビーチの町でタンク車1両分のダイオキシンが飛散した事件でしょう。このときは、連邦政府が町全体の土地を買い上げ、ZIP(郵便番号)も抹消して、州立公園にしました。

何十年かは人間の住める環境には戻らないという判断があったからでしょう。人間1人が一生のあいだに吸収できる許容範囲は、アスピリンの錠剤1粒の3200万分の1だという猛毒性からも、うなずける判断だと思います。

今回は塩化ビニールが大気中の酸素と反応することによって、タイムズビーチ事件の少なくとも数倍、多ければ十数倍のダイオキシンが発生し、アメリカ北東部の人口密集地帯に高空から飛散してくるのです。

そして、4塩化ジベンゾダイオキシンはどんなに高く舞い上がってから降り注ごうと、ほとんど他の元素と化合して毒性が弱まることはないとされています。

しかし、これだけの大問題がアメリカ最大の都市ニューヨークのすぐそばで起き、風向き次第ではニューヨーク市内からもかなりの被害が出るかもしれないというのに、アメリカの大手メディアは不気味なほど静かです。

大手メディアが「冷静」なわけ

その理由は、お粗末と言えばお粗末、かつて隆盛を誇ったアメリカのメディアもそこまで落ちたかと考えれば、哀れな話なのです。



左のABC放送網の勇敢な記者が取材したニュースも、どうやら全国放送網には乗らず、ローカル局で放映された後は、当人のTweetで細々と拡散しているだけのようです。

おそらくその最大の理由は、ノーフォーク鉄道には大手金融機関がずらりと大株主として並んでおり、こうした金融機関の広告出稿がなければ、大手テレビ放送網はやっていけないし、新聞にいたってはもっと懐が寒いという情けないものに尽きるでしょう。


この表を見ても、いちばんうさん臭いのはつい最近、それまで1株も持っていなかったノーフォーク・サザン株を1573万株も買って、一挙に第2位の大株主に躍り出たブラックロックでしょう。

ブラックロックのCEOであるラリー・フィンクは常日頃から「弊社はESG(Environment、Social、Governance)への注力度を基準にして株を買っている」と称しています。

それでいながら、実際には環境にも自社の従業員にもとんでもない犯罪行為をおこないながら業績を上げているノーフォーク・サザン株を、これだけ大胆に買い進んでいるのです。

しかも、おそらく去年の秋、あまりにも劣悪な労働環境に怒った鉄道員組合が全国ゼネストを打とうとして鉄道株が業績不安で弱ぶくんだ頃に、のちに民主党バイデン政権を使ってこのストを止めさせることまで計算に入れた上で、買っているはずです。

奇妙に強い鉄道会社と偽善的投資家の腐れ縁

それくらいで驚いていてはいけません。どうも不採算部門は政府に押しつけた上で、好採算部門だけを社内に残してのうのうと経営しているアメリカの鉄道会社と、偽善的な投資家のあいだには、強固な腐れ縁が成立しているようです。

投資コングロマリット、バークシャー・ハサウェイの社主、ウォーレン・バフェットは「割安優良銘柄の長期保有」を表看板に、「オマハの賢人」とまで呼ばれています。

しかし、投資の世界はそんなきれいごとだけで勝ち抜ける世界ではありません。バフェットがほんとうに儲かると思った企業を買収するときには、絶対に持ち分法会社にして他の株主と利益を分かち合うようなことはしません

株を100%買い占めて、完全子会社として吸収してしまうのです。そんな完全子会社化の典型が、バーリントン・ノーザン・サンタフェ(BNSF)鉄道でしょう。

BNSFの鉄道網自体が、北東のシカゴ、南東のニューオリンズ、南西のサンディエゴ、北西のシアトルを四隅に据えて、地続き48州中ほぼ7割の土地を押さえた地域独占となっています。

さらに、これは独占禁止法の精神からは絶対に容認できるはずのない取り決めですが、カナダから石油をアメリカに輸送する際には、どこの鉄道会社の線路をどの会社の列車を使って運んでも、必ず1バレル当りいくらかの上納金をBNSFに納めなければならないのです。

バフェットは、アメリカ大陸中でパイプライン建設反対運動をくり広げる「緑の革命」派と共闘して、莫大な資金援助もしています。おかげで、オバマ大統領からは「環境保護に貢献した」との理由で勲章ももらいました。

ですが、バフェットがパイプライン建設に反対する本当の理由は、あんなに安くて、安全で、便利な輸送網がアメリカ中に張り巡らされたら、鉄道では絶対に太刀打ちできず、なんの苦労もなく入ってきていた上納金も取れなくなることなのです。

ここまで表裏の違いがある人間から活動資金をもらっている「緑の革命」派のやることにも、かなり政治的な思惑がからんでいることは、容易に想像がつきます。

そこで登場する(いや、正確には登場しない)のが、かのグレタ・ツンベリです。

グレタの不思議な沈黙

ほぼ間違いなく21世紀最大の人為的な環境破壊が起きているというのに、「緑の革命」派からは、何ひとつ発言が聞こえてきません


いったいなぜ、ほとんどどんなことにも口を出したがる彼らが不気味とも言えるほどの沈黙を守っているのでしょうか。

私の見るところでは、理由はかんたんな政治的駆け引きでしょう。

彼らは、世界中で化石燃料全廃という達成できるはずのない目標が立派なことだと信じこむ信者をつくることによって、政治的基盤を築いてきました。化石燃料はいっさい無用となれば、当然のことながらパイプラインも要らないことになります。

だからこそ、世界中でパイプライン建設反対運動や、すでに操業中のパイプラインへの妨害・破壊行動もしているわけです。

ところが、現代社会をまっとうに維持するにはどうしても欠かせない燃料や危険な化学物質などを鉄道で輸送すると、とくに従業員や沿線住民の命にも環境にも無関心で利益を拡大することしか考えない経営者のもとでは、ひんぱんに悲惨な事故が起きます。

しかし、その事故の悲惨さを指摘すると、比較的序列が下の純真な緑の革命教徒の中には「それぐらいならパイプラインを認めたほうがマシじゃないか」といった危険思想に傾く人たちが出てきます。

どうせ百年先、千年先でも実現するはずのない「理想の脱炭素社会」との比較ではなく、現実に存在している燃料や可燃性の毒物を輸送する必要性の枠内で、鉄道輸送とパイプライン輸送を比べれば、答えはあまりにも明白なのです。

というわけで、この悲惨な鉄道事故に対する緑の革命派の沈黙はかなり高くつき、純粋に「自分たちのやっていることは正しい」と信じこんでいた信者たちを動揺させるのではないでしょうか。

とは言うものも、口先では「環境保護派」、実際には環境破壊派の彼らにも強力な味方が付いています。

右であれ、左であれ、利権大国の実態は同じ

政治家や官僚をカネで買収することが正当で合法的な政治活動と認められているアメリカでは、人命も健康もあまりにも軽く扱われています

一方、たった9000万人の共産党員が14億人の国民を支配することが憲法で定められている中国では、政府が既得権益集団に利権をばら撒くことによって共産党一党独裁政権が守られています

カネの流れこそ反対方向ですが、どちらも大変強固な利権万能国家を築くことに成功しました。ですが、最近になってふつうの庶民の暮らしがあまりにも惨めではないかという反省が、広く国民に浸透しはじめています

次の写真は、おそらくばい煙除去装置も脱硫装置もつけずに操業している中国の石炭精製工場です。


そして次は、大連港そばという、いくらなんでもそれは危ないだろうという海で操業せざるを得ない漁師たちの姿です。


洋の東西、思想の左右を問わず、利権社会の行きつく先は似たようなものだという印象は否めません。


読んで頂きありがとうございました🐱 ご意見、ご感想やご質問はコメント欄かTwitter@etsusukemasuda2 にお寄せ頂ければ幸いです。 Foomii→増田悦佐の世界情勢を読む YouTube→増田悦佐のYouTubeチャンネル

コメント

rakitarou さんの投稿…
事故の本質は福一と同じ

増田先生、オハイオの鉄道事故の実態を解りやすく解説下さりありがとうございます。安全を図るための僅かな投資を渋り、経済効率を優先させた結果取り返しのつかない損害を社会に及ぼすという図式は福島第一原発の事故の本質と同じと思います。それを報じないメディアも結局「金」で動いているからという正に資本第一主義の弱点が集約されています。そして常に損害を受け、後始末をさせられるのは貧しい市民というのも一緒ですね。

資本主義=民主主義という幻想を早く捨て、資本主義≒中国的専制社会主義であることを理解しないといけませんね。
スイーツ さんの投稿…
増田先生、オハイオの事故をこうやって記事にしてくれて有難うございます。

先生のブログを読むまでこんな恐ろしい事故がアメリカで起こっているなんて知りませんでした。

最近(いや、ずっと前から)マスコミに対して、どうしようもない生理的嫌悪と絶望感を抱いています。人間なんだから個人的感情は誰にでもあるし、人間が完璧に客観的になることは出来ません。

しかし、パチンコ業界の闇を厳しく糾弾しておきながら、パチンコ企業から豪邸と事務所をプレゼントされていた安倍晋三を意地でも批判しない売国奴株屋だとか、北朝鮮と朱子学を数十年間ストーカーの様に厳しく糾弾しておきながら、安倍晋三の国葬に平気で賛成する元TBS社員・逆説売文屋、、、、。

カネがこの世の、いやマスコミの造物主になっています。
牛の尻尾 さんのコメント…
この事故とその後の顛末については、ネットで知ってひどいなと思いましたが、詳細を教えていただき、知れば知るほど、の感がします。
政府が担うべき公共の福祉、安全といった近代の法制度がまったく機能していないことにあきれます。最近の米国のアンケート調査で、マスメディアへの信頼が極端に落ちていて、それでも信じている層は新聞、テレビから情報を得ている人たちとのこととあって、まさに日本ではないか、と思いました。
この件のネット記事を見て、気持ち悪くなったのは、沈黙するマスメディアを批判する記事に対して、それが何だ、ダイオキシンなんて大した危険性はない、といったコメントがけっこうあったことです。サクラのような人たちなのか、あるいは、本能的に反体制的なものに反発しているのか、不気味です。
不動産鑑定士 髙橋 雄三 さんのコメント…

この記事を読んで、2021年7月に出版された御著『米中「利権超大国」の崩壊』を精読してなーるほどと思ったことを思い出しました。

御著を見つけ出して、目次と書き込みを改めて通読して、先生の大局観と具体的な分析・解析から改めて学ぶことが多くありました。

この記事は御著の資料袋に入れ、個人版データベースとして活用するつもりです。

解析経済学の大展開に大いに期待しています。

不動産鑑定士 高橋 雄三
増田悦佐 さんの投稿…
rakitarou様:
コメントありがとうございます。
私は第二次世界大戦に勝利した直後までのアメリカは、幾多の問題を抱えながらも自由競争の市場経済の良さを活かせた社会だったと思っております。
しかし、1946年のロビイング規制法という名の贈収賄奨励法が成立してからのアメリカは一貫して腐敗が進み、没落の一途をたどっていると感じます。
気候変動危機説、新型コロナ大疫病説、ロシア・ウクライナ戦争におけるプーチン悪魔説、そして今回の脱線転覆事故そのものよりはるかに被害の大きかった猛毒化学物質の「管理された焼却」、すべて諸悪の根源は政・官・財・学界・メディアの癒着構造にあります。
最近やっと多くの無辜の市民の犠牲という大きな代償と引き換えに、私の見方に賛同していただける方が増えているのは、嬉しいような、悲しいような複雑な心境です。
増田悦佐 さんの投稿…
スイーツ様:
コメントありがとうございます。
最近のメディアは、とくにアメリカの場合、大口の資金援助を受けているスポンサーにとって都合の悪いニュースはほとんど報道しなくなっているし、日本のメディアの在外特派員もそれぞれ派遣された国のメディアのふるいにかかったニュースを報道するだけというケースが多くなっているので、この大事件をご存じなかったのも無理はありません。

カネがマスコミの造物主になっているというご意見はもっともですが、やはりアメリカの大富豪が自分たちに都合のいい法律制度をつくらせるために政治家や官僚にばら撒くカネ、中国共産党が一党独裁支配を守るために既得権益団体にばら撒くカネに比べれば、確実に2ケタ、おそらく3ケタか4ケタ、金額がみみっちいのがせめてもの救いです。 
増田悦佐 さんの投稿…
牛の尻尾様:
コメントありがとうございます。
現代アメリカは立法・行政・司法に始まって、ありとあらゆる「公的」部門が、まったく民間の不正を監督、摘発する役を果たせず、大金を恵んでくれた企業や業界団体に尻尾を振る情けない社会になっています。
暴動、内戦、暴力革命といった物騒な事件でもないと変わらないのではないでしょうか。
増田悦佐 さんの投稿…
高橋雄三様:
コメントありがとうございます。
また、『米中「利権超大国」の崩壊』をお読みいただいていたとのこと、大変うれしいです。
あの本には、ユーロダラー本位制はもう崩壊しているなどという早とちりも書きましたが、大局観としては正しいし、米中両国とも私が想定していたとおりの腐敗堕落の深化が見受けられます。
そろそろ激変の胎動が始まっているのではないでしょうか。
ドイトシキ さんの投稿…
私も『米中利権大国』の本を
再読し始めています。

しかしながら、私は『日本再興』の
災害史から、唯一海外に借金返済の無い
日本の立ち位置を、このブログでも書いて
欲しいです。

まだ長文が書けないので、お許し下さい。
増田悦佐 さんの投稿…
ドイトシキ様:
コメントありがとうございます。
文章の長さは、お気になさらず気軽にコメントしていただけると、ありがたいです。
私も、日本最大の強みは災害列島であり、資源小国であることだと確信しております。
ブログでも徐々に書いていこうと思いますが、いずれは旧著『奇跡の日本史——花づな列島の恵みを言祝ぐ』の続編というよりはスケールアップした形で『新・奇跡の日本史―災害列島で資源小国だからこそ、日本は強い』というようなタイトルで本にしたいとも考えております。